あしあとモンチッチーズ

トーマスに関してなんかいろいろ好き勝手書いてます

キャラ紹介87 星の如く輝ける機関車たち

まあ要するに一話しか出ることのできなかった仲間たちのまとめですわ。恐れ入りますがお付き合いください。

 

 

 

「助けてえ、トーマス。オーバーヒートしたみたいだ。ぼくの代わりにこの貨車を運んでくれよ!」

 

デニス(Dennis)

車体番号:11001  色:グレー 分類:機械式ディーセル機関車 モデル車両:イギリス国鉄11001ディーゼル機関車

概要

 デニスは怠け者のディーセル機関車で、仕事から逃れるためならなんだってする。彼はありとあらゆる機会を利用しては、定められた1日の職務を避けようとする。それが明らかにされたとき、彼はすまなく思う――次の仕事が来たら、またさぼろうとするのだが。

(Dennis is a lazy diesel who will do anything to get out of working. He takes advantage of any opportunity to create an excuse to avoid a decent day's work. When he's found out, he’s sorry — until the next opportunity to avoid work comes along.)

―2014年~2021年公式サイトバイオから引用*1

 ソドー島に新しくやって来た双子のディーゼル機関車の片割れ。困っている所を休日のトーマスに助けてもらったが、それに味を占め何かとウソをついてはトーマスに仕事を押し付けようとする。最初は本当に困ってたのに、段々利己的な嘘をつくようになっていく様って怖いよね…。その日たまたま善意の塊だったトーマスは全く彼の悪意には気がつかなかったものの、最終的にデニスが仕事放棄して事故っていたところを彼に見つけられて、すべて自白する形に。ハット卿から大目玉を喰らい、申し訳なく思った彼は心を入れ替え、真面目な働き者になることを誓う。(TV第9シリーズ「なまけもののデニス(Thomas' Day Off)」) 

 テレビ版ではこれ以降一切の出番がなかったが、上の説明文を読む限り、真面目な働き者になれてなさそうだよね

 実はノーマン(Norman)という双子の兄弟がいる…が全然顔は似てないし、二人一緒にいる場面もないなんだこいつら。キャラクターの方ではノーマンが「働き者だが故障を起こしやすい」と怠け者のデニスとは対照の設定がなされている点が少々面白い。ノーマンに関してはまたいつか紹介。

▲ノーマン。

 

【楽しい豆知識】デニスとノーマンの基になった機関車は、アシュフォードで製造されたイギリス国鉄11001ディーゼル機関車の試作機である(訳注:正確には11001ディーゼル機関車自体がたった一台しか製造されていない試作機である。2011年頃の更新で正確な実機名称が付け足されたのだが、その際以前までの実機をぼかした表現の"prototype"を消し忘れて、このような表現になったのだと思われる)。本線と操車場での運用を想定したデザインだったが、その最高速度はなんと時速43マイルだった!

(Fun Fact: Dennis and Norman are based on a British Rail 11001 Diesel Locomotive prototype built by British Railways Ashford. It was designed for shunting and mainline duties with a top speed of only 43mph!)

―2014年~2021年公式サイトバイオから引用*2

 時速43マイル=時速68km。自動車の平均時速が40km、11001が製造された1950年代ごろに同じく製造された当時の国鉄の入れ替え機のディーセル機関車が大体時速24~48kmくらいなので(Wikipedia調べ)、入れ替え機にしちゃ早いよねって話ではないかと思います。知らんけど。因みにこの11001は補足通り試作機であり、1台だけ作られた後、10年の時を経て廃車に。もしかするとトーマスワールド的には、このたった1台の11001が表向きには廃車という形になったけど実はなんやかんやあってソドー島にたどり着いた姿がこのデニスという見方も出来ます。原作でよくあった経歴です*3。番号も実機とデニスで一緒だしね。いや一台しかいなかったのに双子…?んなもんいくらでもこじつけれるわいっ!

 

担当声優

日本版CV:伝坂勉(第9シリーズ)

 

 

 

「おいらに命令するのはやめてくれっ!!キミはほんとうに威張り者だなっ!!」

 

ビリー(Billy)

色:オレンジ 分類:サドルタンク式蒸気機関車 モデル車両:マニング・ワードル L型タンク式蒸気機関車

概要

 ビリーは明るく、喧騒的で、はつらつとしたオレンジ色をした蒸気機関車であり、彼は自分が何でもできると思い込んでいる。ビリーにとって遥かに恐ろしいことや遥かに困難なことなど何もない。彼は熱意に満ち溢れており、おかげでいくつかの連結棒が震え始めるかもしれない。だがそれが彼の動力を苦しめ続けることは決してないだろう。

(Billy is a bright, boisterous, and bubbly orange tank engine who thinks he can do it all. Nothing is too daunting or too challenging for Billy. He is bursting with enthusiasm, which may rattle a few rods, but never upsets any engine for long.)

―2014年~2021年公式サイトバイオから引用*4

 新しくソドー島にやって来たオレンジ色の小さな機関車。来た当初はせっかちで、うぬぼれたところがあり、とにかく指図されることを嫌っていた。仕事についてアドバイスするトーマスをすべて威張っていると一蹴し、彼のアドバイスを聞こうとしなかった。だが失敗を通し反省し、トーマスとも仲直り。(TV第11シリーズ「なまいきなビリー(Don't be Silly, Billy)」) それ以降のことは一切描かれていないのでわからない。テレビだと「新しくやってきた慌て者」とかいう時期的な個性しか描かれていないが、公式サイトの説明を読む限りとてもやる気に溢れた機関車らしい。デニスと違って前向きな紹介で良かった

 

【楽しい豆知識】ビリーのモデル機はマニング・ワードルのL型タンク式蒸気機関車である。

(Fun Fact: Billy is based on a Manning Wardle L Class 0-6-0ST.)

―2015年~2020年公式サイトバイオから引用*5

 

担当声優

日本版CV:相馬幸人(第11シリーズ)

 

 

※以下は日本版では大人の事情で放映が見送られてしまった第12シリーズに出演するキャラクターです。

 

 

「オレもわかったことがある。君が走ると、いろんな人たちが君に手を振って歓声を上げていた。君はとっても人気者なんだな」*6

 

ハンク(Hank)

色:青 分類:テンダー式蒸気機関車  モデル車両:ペンシルベニア鉄道 K4型蒸気機関車

概要

 ハンクは大きくて、臆面のない蒸気機関車である。彼はチアリーダーの如き熱意、タイタンの如き力強さ、そしてちょっぴり間抜けな一面を持ち合わせている。彼は従来のソドー島の機関車とは大きく異なる――沢山の鐘と汽笛が備わっているのである。来たばかりの頃、ハンクの態度は他の機関車を悩ませていたが、皆はすぐに彼が寛容的で善意で動いていることを知るのであった。

(Hank is a big and bold steam engine. He has the enthusiasm of a cheerleader, the strength of a titan and a propensity to be a little goofy! Hank doesn’t look like the conventional Sodor Steam Engine — he has lots of bells and whistles. While initially Hank puts the other engines out of joint, they quickly realise that Hank means well and has a very big heart.)

―2014年~2021年公式サイトバイオから引用*7

 複数の汽笛とベル、そしてフロントにカウキャッチャーを装備したアメリカンな容貌をした大きな機関車。というか実際アメリカから来ているらしい。

 豪快でタフ、熱意と誠意に溢れた性格をしている。だが同時に少々配慮に欠けた部分があり、そのせいで誤解を受けることが多い。

 

 案外言うことがねえなあ…。

 

【楽しい豆知識】ハンクはペンシルベニア鉄道の2軸先輪3軸動輪のK4型蒸気機関車が基になっている。

(Fun Fact: Hank is based on the Pennsylvania Railroad's K4 Pacific.)

―2014年~2021年公式サイトバイオから引用*8

エピソード

 ハンクに小さいと言われ腹を立てるトーマス。ハンクと一緒に引くはずの荷物を自分一人で牽くと無茶に出る。ハンクは手伝いを申し出ようと声をかけるが、ムキになっているトーマスはそれを払いのける。(TV第12シリーズ「すごいぞトーマス!(Heave Ho Thomas!)」より。現在邦版の視聴手段なし)

担当声優

日本版CV:???(第12シリーズ。※登場エピソードの吹き替え版は富士急ハイランドの一施設「トーマスランド」にてかつて公開されていたが、キャストクレジットは無かったため不明)

 

 

www.fujiq.jp

▲こちらは1998年より富士急ハイランド内にオープンした世界初のきかんしゃトーマスのテーマパーク『トーマスランド』。世界初のテーマパークの場所に日本が選ばれる辺り、当時の日本での爆発的人気が伺い知れる。パーク内の美術には実際にテレビシリーズで活躍されていた美術班が関わっているというガチっぷり。
先に紹介したハンクが登場するエピソードは日本において、このテーマパーク内のアトラクション「トーマス3Dシアター」内の限定エピソードとして公開されていました。現在この3Dシアターは閉鎖して別のアトラクションになってしまったため、こちらのエピソードの吹き替え版は見ることができなくなっちゃいましたとさ。因みに3D映像を謳ったようなアトラクション名ですが、OPとED映像ぐらいが若干3Dになってるくらいで肝心の本編は普通の映像だった気がします。



 

フローラ(Flora)

色:黄色  分類:路面蒸気機関車  モデル車両:キストン路面蒸気機関車

概要

 フローラはソドー島の路面蒸気機関車であり、彼女が路面機関車であることは彼女の誇りと愉悦である。彼女はソドー島の機関車に加われたことを幸せに思い、そしてトビーと一緒に働くことを嬉しく思っている。彼女は道路、又は線路を旅できることを誇りに思ってる。

(Flora is a steam tram on the Island of Sodor, and her tram car is her pride and joy. She’s very happy to be one of the Sodor engines and delighted to be working with Toby. She’s proud to be able to travel on roads or tracks.)

―2014年~2021年公式サイトバイオから引用*9

 なんか似たような文が続く説明ですね。ソドー島の山奥にある古い町、グレート・ウォータートンの路面鉄道で働く路面蒸気機関車。素直でおとなしい性格。二階建ての専用客車を牽いている。

 たった一回の登場に加えて日本版では一切の露出が無かったため、なんとも地味な印象を受けるが、なんといっても彼女を語るうえで最大のポイントは笑顔一つでトーマスの頬を紅潮させ、動揺させた唯一のキャラであるという事。多分唯一。それが彼女に対する強い感情の表れなのかCGってこんなことできるんだぜ~~!!っていう技術自慢だったのかはよくわからないが、少なくとも彼女の笑顔にそれなりの破壊力があることは確かな事実なのだろう。

 2003年から2011年に展開された絵本シリーズ「My Thomas Story Library」『Flora』*10によれば、彼女は車輪を付け替えることでトーマス達が走る線路とグレート・ウォータートンの路面鉄道用の線路の両方に対応できるらしい。但し、テレビシリーズではそんな描写や説明が一つもないのでこの設定が初期設定なのか、現在も生きている設定なのかは不明。そもそもさっきから言及してるグレート・ウォータートンの路面鉄道がちゃんと出たことがないので路面用の線路と普通の線路がどう違うのかさえも不明。もしかしたら言ってないだけでグレート・ウォータートン市街地に敷かれたあの線路が路面鉄道の区域なのかもしれない。多分路面鉄道の線路が違うって設定が消えてるなこれ。半分以上が採用されたかも怪しい設定の話ってどうなんだ

 

【楽しい豆知識】フローラは1904年のモーズリー路面鉄道の路面蒸気機関車が基になっており、標準軌への改造が施されている。

(Fun Fact: Flora is based on a 1904 Moseley Road Tramway steam tram, rebuilt into standard gauge.)

―2014年~2021年公式サイトバイオから引用*11

エピソード

・グレート・ウォータートンでのパレードで先頭を走ることになったトビー。だがその先頭に新しくやってきたフローラも加わることをトーマスは知る。先頭が自分だけじゃない事実を知ったらトビーは焦るのではないかとトーマスは考え、フローラとトビーを対面させないようにするが…。お前はトビーと何年の付き合いなんだよそれくらいでトビーが動揺するかよ信じてやれよ友達だろ(TV第12シリーズ「Tram Trouble」より。未邦訳。)

担当声優

日本版CV:登場エピソードの吹き替え版が未公開のため、現状「なし」ということで。

 

 

筆者コメント

 全員出番が1回しかないのでまとめちゃいました。この人たちの登場回ほぼトーマス主体で進み、キャラ自体の中身がよくわかんないまま終わって不憫だなあと思う中、ちゃんと怠け者の精神が描かれたデニスはなんかよかったねって感じになります。よかったね。

 

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次回予告

 Roses are red...

 

当記事に使われている画像の著作権は特に明記のない限りマテルクリエーションズとヒット・エンタティンメント・リミテッドに帰属します。© 2023 Gullane (Thomas) Limited. © 2023 HIT Entertainment Limited.

*1:デニス紹介ページ:https://play.thomasandfriends.com/en-ca/engines/Dennis.html

*2:デニス紹介ページ:https://play.thomasandfriends.com/en-ca/engines/Dennis.html

*3:原作絵本では大体の仲間の来島以前の経歴が現実と辻褄が合うように設定されており、そのほとんどが「表向き廃車」だったり、「記録に残らなかった試作機」だったりします。詳細は当ブログのトーマスやゴードンの紹介記事などを参照されたし

*4:ビリー紹介ページ:https://play.thomasandfriends.com/en-ca/engines/Billy.html

*5:ビリー紹介ページ:https://play.thomasandfriends.com/en-ca/engines/Billy.html

*6:筆者の当時トーマスランド行った時のメモより

*7:ハンク紹介ページ:https://play.thomasandfriends.com/en-ca/engines/Hank.html

*8:ハンク紹介ページ:https://play.thomasandfriends.com/en-ca/engines/Hank.html

*9:フローラ紹介ページ:https://play.thomasandfriends.com/en-ca/engines/Flora.html

*10:日本では「きかんしゃトーマスおはなしえほん」の題で全65冊中12冊だけ小学館より邦訳された。フローラの巻は未邦訳。

*11:フローラ紹介ページ:https://play.thomasandfriends.com/en-ca/engines/Flora.html